シルフィから話された文化祭の開催日に、キリヤナギはどうにもならない気持ちをかかえていた。 暫定とはされているが、予定されているその日はシダレ王の誕生祭の日であり、もしこのまま決定となれば、キリヤナギは参加続きを読む
カテゴリー: 本編
第二十四話:『bouquet』
「こんにちは」「初めまして王子サマ」「誰だよ、胡散臭えな……」「どぅどぅ、ちょっとお願いがありまして、マグノリア卿に……」 アレックスに用があると聞き、キリヤナギは彼を見た。しかし当の本人は何かを考えるよ続きを読む
第二十三話:レガリアの意味
秋空が広がるこのオウカの国で、今空へ立ち上がる灰の煙がある。どこまでも高く登るそれは広大な空へ消えてゆき、その根元では4人の生徒が焚き木を囲っていた。 王立桜花大学院に通うその四名は、裏庭に集められた枯れ続きを読む
第二十二話:権力を持つ意味
「体痛い……」「まだっすか?」 生徒会の反省会があった次の日、普段より気怠げな表情で、キリヤナギはジンと登校していた。一日で治るだろうと思っていた筋肉痛が続き、動くのが億劫で仕方がない。 体は鍛えていたはずなのに、体育続きを読む
第二十一話:祭りの後の
予定時間より早く始まった表彰式は、多くの人が集まり、誰もがその結果に驚いていた。 一位の「タチバナ軍」の赤チームは、フラッグを3本とり鉢巻を90本確保し、残り20名の生徒が残る。 二位が「無能力」の黄チームでフラッグ一続きを読む
第二十話:兄弟の確執
「お疲れ様です、殿下」 演習場に広く場所をとった一般観覧席で、生徒の家族達はピクニックシートを引いて体育大会を鑑賞する。 キリヤナギもまた休憩にはいり、お弁当を持ってきてくれたセオの元へ、ヴァルサスとアレックスと共に戻続きを読む
第十九話:学生戦争
晴天。 つい先日まで暑かった空気が、心地よくひんやりとしていて季節はまさにスポーツの秋とも言えるその日。 学生の皆は各々のユニフォームを着て、学院の演習場へと集合していた。 「体育大会学生演習」と呼ばれるその行事は、毎続きを読む
第十八話:士気の急落
シルフィを医務室へ運んだキリヤナギは、ぐったりしてしゃべることも辛そうな彼女に何も言葉をかけられずにいた。 連日の激務の過労とストレスだろうと言われ、思わずツバサに言われた言葉が頭によぎり、胸が締め付けられる気分にもな続きを読む
第十七話:戦いの序章
「戦線布告??」 次の日。ククリールはかつてないほど消沈して項垂れていた。昨日、唐突にテラスへ現れたルーカス・ダリアが率いる男性生徒達は、「非公式ククリールファンクラブ」と名乗り、今回「タチバナ」軍を率いるキリヤナギへ続きを読む
第十六話:タチバナ軍
夏の日差しが落ち着き、秋の気候が見えてくる頃、キリヤナギは長期休校を終えて約1ヶ月半ぶりに学院へと登校した。 久しぶり学院は長袖をきた生徒達に溢れ、皆友人達と共に正門をくぐってゆく。 キリヤナギもまた護衛のジンと共に登続きを読む